3.こういう時は俺に頼れと言っただろう!
夢主:4歳
紅炎:17歳
———————–
父である前皇帝の白徳が暗殺されてから、私の兄である白龍を皇帝にするにはまだ幼すぎるだろうということで叔父上の紅徳様が帝位に就かれた。
紅徳様は白徳の子である白瑛姉様と白龍兄様、そして私を良く思ってないため、宮中でも悪い待遇を受けていた。ついこの前まで色々と尽くしてくれていた人たちも別人のような態度で素通りしていく。
「おなかすいた……」
母も姉兄も他人を気遣う余裕がないのか、私のところに来てくれることはなかった。
部屋も移されて倉庫のようなほこりっぽくて暗い、狭い部屋になってしまった。前までは朝食は部屋まで運んできてくれて、一緒に寝ていた兄たちと食べていたのだが、最近はご飯を運んできてくれることが少なくなり、かといって食堂のような場所があるのかどうかも分からず、空腹でいることが多くなった。
そういう時は仕方なく眠るしかない。以前はお勉強やお花の時間があって、予定通りに起きてお着替えして、きちんとしていなくてはならなかったが、今は部屋を訪ねてくる人もいないため、ぼーっとしている日々だった。
そうはいっても昨晩も早くに寝たため、全く眠くなく、布団の中で丸まっていてもお腹が鳴るだけで一向に睡魔は訪れない。しかたないから布団から這い出て食べ物を探しに行くことにした。
朝の宮中を行き交う下女たちは忙しそうにしていて、時々私に気づいた人は面倒くさそうに眉をしかめた。声をかけようにも機嫌の悪そうな表情に尻込みしてしまって聞けなかった。
廊下の端の方を歩きながらどこかに飴玉でも落ちてないかと辺りを見回す。視界に入るのは足早に通り過ぎていく人たちの足だけで、当たり前だが食べ物はひとつも落ちてなかった。
そうしているうちに以前の部屋の近くまで来ていた。皇帝陛下とその家族が住まう一角だ。
白雄兄様と白蓮兄様は亡くなったと聞いたが、そもそも亡くなるというものが一体なんなのかよく理解できていなかった。お忙しくてお顔を拝見できないことは多くあったし、しばらくしたらいつものように笑顔で戻ってきてくださると思っていた。
そういうこともあり、懐かしさで兄様のお部屋を覗いてみようとその方向へ向かった。部屋を覗けば寝起きの兄様が眠そうなお顔で朝ごはんを食べているかもしれない。私に気づいて手招きしてくれるかもしれない。そう思うと元気が出てきて早足で駆けていった。
「兄様!!!」
戸を開けて顔を突っ込んで勢い良く叫ぶ。そこにいた人は驚いたように目を見開いていた。
「あ……こうえんさま……」
「白臨か。どうした?」
部屋にいた人物が紅炎であったことで明らかに落ち込んだ私を見て、優しい口調で問いかけてくれる。
部屋の入口でもじもじしている私を抱き上げて、座っていた場所まで戻った。
「このおへや、白雄にいさまのおやへだから、にいさまいるかもっておもいました」
「それで開けてみたのか。……だが残念だが、白雄殿下は」
「あとおなかすいてたの!にいさまといっしょにごはん食べたかったです」
「そうか。なら、白雄殿下の代わりにはならないと思うが、一緒に食べるか」
「!!!」
紅炎様は以前と変わらず優しく接してくれました。昔から優しくしてくれる紅炎様が大好きです。
「ごはんね、用意してくれないからたべられてなかったの。おなかすいてたんだ~」
「今度から何かあったら俺に言え。小さいうちはしっかり食事を取らないと大きくなれないぞ」
「はい!ありがとうこうえんさま!」
——————–
2016年06月08日に書いてあったやつ。
どこかのお題サイト様からお借りしたタイトルですが、失念してしまいました…。
タイトルとあっていない気もするけど強く生きる。
この後もご飯が来ない→仕方なく食事を抜くということを何度も繰り返して言われたんでしょう。ということにしておく。
は~~~~~可哀想な過去持ちにしてしまう非力な私を許しておくれ。
0コメント